楽しく続けるには
童話教室にもまた新しい期がやってきて、新しい人たちが参加してくださいます。
私の教室は三人入ると一人残られる、というのがジンクスになっています。特別な意味はなくても、まあ、何かを始めようと思っても続くのがそれくらいの確率なのかもしれません。
それでも、上手に楽しくお稽古事を続けていける人とソウではない人、と言うのはどうしてもあるものですね。
先ず、始めたときは意気込んで踏み出しても、根本的に無理がある場合。客観的に見て、お子様がまだ小さい、例えば年少さんくらいだと、勉強したいお気持ちはわかりますが、やはり、かなり子供に負担をかけることになると思います。誰か見てくださる人があれば別ですが、せめて後一、二年は待ってあげてほしいですね。
それと、ご自身が病気を抱えていらっしゃる場合。病気といっても色々ありますが、したいと思う気持ちにひきずられて、無理に踏み切ってしまわれると色々と後悔を遺すことになります。
創作する、というのは、結構エネルギーの必要なことですので、体だけでなく心も健康でないと続きませんし、病気も悪化することになります。
心が弱っているときだから童話でも書きたい、と思われる方が多いようですが、月に二回、梅田に電車なり何なりででかけてきて 、二時間座って人の話を聞いたり、また、そこにある決め事を守ったり、作品を提出したりするのは、やはり、ストレスになりますよ。
それと、もし、あなたに秘められた才能があって、それを認めてほしいという欲求がおありのようなら、教室には来ないでどこかの出版社なり、賞なりに応募してくださったほうがいいです。私の教室は勉強していただくところなので、私は教えます。教わりたいと思われるなら、からっぽの心でおいでください。認められたい、褒められたいと思われるなら、それはどんな教室にもお通いにならないほうがいいと思います。
私の教室では相互批判は厳禁です。
受講生同士で「作家の目ってどんな目なの?」とか「私、こんなお話を考えているんだけど、どう書いたらいいのかしら?」と話し合わないでくださいね。私に尋ねてください。
教室で長く勉強していらっしゃる受講生の方々は、そういうことをするのがいかに無駄であるかよーーく知っていらっしゃるので誰もそういう質問はまともには扱われないと思います。
そして、そういう質問を私にしないで周囲で解決しようとする人は、決して続きません。
おばさんの浅知恵で、手早く上達する方法、ボロを出さずに先生に褒めてもらえる手段を周囲でチャッチャッと調えようとしてもそれは無理。
お金を支払って先生についているのですから、先生に何でも聞いてください。
不満げな顔をして無言で座っておられて、作品も提出しないで、いつのまにかやめていく、というのではあまりに勿体無い。
不満げなのは、思ったより自分が評価されないから、質問しないのは、書いてないから具体的な質問が思い浮かばない、提出しないのはボロを出したくないからだと私は思っていますよ。それなら、やめるよりほかに道はありませんよね。
例えば「私は童話とはこういうものだと思っている」なら、口でいわないでそういう童話を書いてみせるしかないんですよ、創作とはそういうことなんです。
そういう童話が書けるようになるために、勉強するのが教室というもんです。
教室のみんなが何をしているか、よく見て、先ずは自分なりの楽しみ方を見つけてください。私は皆さんが飽きないように工夫してこの十何年かをやってきました。褒められるはずだと思って来ないかぎりは、楽しめるはずです。
新入の方のために最初の講座の時はちゃんとレクチャーします。それをキチンと守っていただければ必ず自分なりの童話を書くことができるようになります。秘められた才能が高く評価される夢をひとまず胸の奥深く収めておいていただいて、ね。
のどか、は春の季語。
のんびりと大らかな気分で、豊かな時間を持つつもりで教室に来てくださいね。
そして、何よりも続けてください。途中で降りてしまったバスの行き先は結構長い間気になるものですよ。
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